☆鯉の由来(1)☆  
景行天皇の治世4年春2月11日、天皇は美濃に行幸した。  
その時、側近の者が、「この国には、美しい女性がいます。弟媛(おとひめ)といい、容姿端麗な美人  
です。八坂入彦(やさかのいりびこ)皇子の娘です。」と言った。  
天皇はこの女性を妃にしようと思い、弟媛の家に出かけた。弟媛は天皇が来ると聞いて駕籠に乗っ  
て逃げだし、竹林に隠れてしまった。  
そこで、天皇は弟媛を引き出そうと考え、泳宮に滞在した。  
【泳宮とは、「くくりのみや」という】 鯉を池に放って、朝夕に眺めて楽しんだ。  
ある時、弟媛は、その鯉が泳ぐ姿が見たくなり、こっそりと池にやって来た。  
天皇はすぐに引き留めて、求婚した。  
弟媛はどういうことか問い質すこともできず困り果て、天皇に言った。  
「私は夫婦の営みを望みません。今は天皇の威光に背く事もできず、お側に召されております。  
しかし、心は晴れ晴れとしません。また容姿も美しくはありません。久しくお仕えることは出来ないでし  
ょう。私には姉がおります。名を八坂入媛(やさかいりびめ)と言います。要望は麗しく美しい人です。  
貞操も固い人です。どうぞ後宮に召して下さい。」天皇はこれを聞いた。  
そして、すぐに八坂入媛を妃に迎え入れた。  
この記述により、この頃(75年頃か?、または550年頃か?)から、すでに鯉が観賞として飼育され  
ていたことがわかります。  
しかも、この恋物語に関連して、鯉の名前の由来を「コイ=恋」とする説もあります。  
   
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☆鯉の由来(2)☆  
鯉変じて竜となる。  
鯉のことを、「六六魚(りくりくぎょ)」と呼ぶことがありますが、これは側線を形成する鱗の数が、6の  
平方である36枚前後あることに由来しています。  
ところで、「六」は陰の数であるといわれ、平方した36という数字は、易占(六十四卦)によれば、「坤  
の卦」を持ち、万物を成長させるという意味を有しています。  
一方、竜は、陽の極数である「九」という数字を平方した81枚の鱗を持つといわれ、易占によれば  
「乾の卦」があり、最高の徳を象徴する聖獣であると考えられています。  
易学の原理に従えば、「坤」の卦から陽の卦が次第に増加して、最後に「乾」の卦になるということを  
あらわす事になります。  
「鯉変じて竜となる」という言葉がありますが、これは、易学に則った意味を持っているといえるようで  
す。  
   
☆鯉の語源説☆  
コイのことを「こい」(古語では「こひ」)と呼ぶようになったのには、どうしてなのでしょうか。  
先に記した「景行天皇の鯉説話」もその一つですが、それ以外にも諸説があって正確なところはわか  
りませんが、その中のいくつかを紹介しておきたいと思います。  
*「ヒ」は魚介の名に多い音だが、その意味は不詳〔東雅〕より。  
@「小平」の訓読みの「コヒラ」からの転とし、姿形を鯛と比較してこの名が付いたとする説〔和語私憶  
鈔〕より。
A口元に小さなヒゲ(小髭・こひげ)があることから、「ゲ」が略されてコイとする説〔日本語原学〕より。  
Bエサを欲する時の様子から、乞(コヒ)から名付けられたとする説〔名言通〕より。  
C味がよいために、人が「恋い慕うもの」であるからとする説〔和字正濫鈔〕より。  
D雌雄相恋して離れないものなので、恋から出た名であるとする説〔和訓栞、及び 本朝辞源〕より。  
E鱗の様子が美しいことから、甲美(コミ)の意味から派生したとする説〔言元梯〕より。  
F身が肥えているところから、肥(コエ)の意味から派生したとする説〔日本釈名〕より。  
G味が他の魚にまさっていることから、越(コエ)の意味から派生したとする説〔和句解・日本釈名・紫  
門和語類集〕より。  
H滋味の意味である「コアチ」、または「コトハリ」の反意語から生じたとする説〔名語記〕より。  
I淡水魚の意味の「クヒノウヲ」を省略したものであるとする説〔日本古語大辞典〕より。  
   
また、コイを漢字で書くと「鯉」と書きますが、これについては、次のような説があります。  
@ 鯉の身に36枚の鱗があることから、36町は1里に相当するので「里」を用いたとする説〔名語記  
〕より。  
(「鯉とは、Bのことである。魚という字に里の音をあてている。」「Bとは、鯉のことである。魚という字  
に亶の音をあてている」)とありますので、鯉とBとは同じ意味です。  
ちなみに「亶」とは、ぐるぐる回ることを意味していますので、池の中でぐるぐると泳ぎ回っている鯉が  
連想されるのではないでしょうか。  
 
☆鯉の名前の由来☆  
いろいろな説がありますが、主なものは次の通りです。  
(1)コヒ(恋)からきた。  
 景行(けいこう)天皇(日本武尊の父親といわれる天皇)がデートを楽しむために、池へ大きな魚を  
放して絶世の美女の気を引いたと言われ、その時の大きな魚を“コヒ”(恋)と呼ぶようになり、のちに  
鯉になったという説がもっとも一般的なようです。  
皆さんも、ご家族や愛する人を誘って鯉ハントに出かけてみたらいかがでしょうか。  
(2)肥えからきた。  
 体が肥えている、味が肥えている(旨い)などのコエからきたという説があります。  
味に関しては、味が他の魚を超えているからという説もあります。  
(3)クヒからきた。  
 クは黒いという意味で、ヒは魚の意味。黒い魚の意味のクヒがコヒになったという説があります。  
(4)クヒノウオからきた。  
 クヒは水の意味で、きれいな水にすんでいた魚をクヒノウオと呼んでいたのを略してクヒになり、そ  
れがコヒになったという説があり。  
 
○目名・コイ目。 科名・コイ科。属名・コイ属○  
○学名・Cyprinus carpio Linnaeus,1758。 英名・Carp Common carp○  
☆分布☆  
日本各地の湖沼、河川の中、下流域。  
中央アジア原産で、アジア、ヨーロッパの温帯地域に広く分布。  
世界に広く分布している魚で、中央アジアでは約2000年前から棲息が確認されており、今も東洋の  
あらゆる水域に多く棲息している。  
中国や日本では昔から絵画やことわざに登場する馴染みの深い魚だ。  
古くから移植がおこなわれており、自然分布は謎である。  
1903年にジョルダンらは日本産コイは中国からの移入種であると断言し、そうされていたこともあっ  
たが、日本のいくつかの河川に野生型が報告されており、化石記録からも日本の自然分布はあった  
と考えられている。  
ほぼ世界中に分布しているが自然分布はユーラシア大陸だけ。  
日本のコイは中国から移入されたと言われ、縄文時代の貝塚などから化石が見つかっている。  
しかし、関東平野や琵琶湖などでは野生型のコイが生息することや、古い地層からコイの化石が見  
つかっていることから、元々日本にコイが生息していて、その後中国等から移入され日本中に広まっ  
たと考えられています。  
   
☆分類・特徴☆  
● 脊椎動物門・顎口上綱・硬骨魚綱・真骨下綱の淡水魚で亜目は2500種そのうち日  
本には55種が生息していて最もポピュラーな淡水魚。  
姿はフナによく似ているが、コイには唇付近に2対のヒゲがあり、フナにはないので識別できる。  
口には歯が無いが、喉の奥に頑丈な歯を持っている。  
エビ、貝などの小動物や水棲昆虫や水草を食べる雑食性で、時には小魚なども捕食する。
鯉には鑑賞用もある。  
数ある品種の中でも「錦鯉」と呼ばれる品種は、美しさに定評があり今なおさかんに養殖されている。  
いつでも活魚が入手できるため、生理学、生化学などの分野での研究例が実に多い。  
胸びれが下方にあること、口に歯がなく喉の奥に咽頭歯をもつこと、胃や幽門垂がなく食道からすぐ  
腸になること等々、進化的には比較的下等な魚である。  
背びれの棘は硬く、ギザギザの歯のようになっている。  
触覚と味覚があり、底性動物を探すのに役に立っている。  
口(吻)が伸出させることができ、泥ごと底生動物などを口に入れ、鰓から泥だけを出して摂餌する。  
口には歯はなく、下咽頭骨にある歯(咽頭歯、臼歯のような形)で貝殻をかみ砕く。  
貝類(シジミ、カワニナ等)が好物で、イトミミズやユスリカの幼虫、水草等の他、他の魚の卵や小魚  
も食べる。     コイは胃が分化しておらず、腸だけのため、一日中食べ続けている。  
洗い、こいこく、うま煮などに用いられるが、活けじめする前に井戸水でI週間ほどエサ止めして飼うと  
、天然ゴイの泥臭さや養殖ゴイの飼料臭が抜ける。  
淡水魚の中では、筋肉中に遊離ヒスチジンが多いのが目立つ。  
秋から冬にかけてがとれごろで、旬(しゅん)は冬です。  
フナ属にくらべると、止水を好み、深いところを好む。  
暖かい水を好み、冬は深場に集まって越冬する。  
底生動物を中心とする雑食性で、吻を砂泥につっこんで上顎を突出させて、砂泥ごと餌を吸引する、  
吸引摂餌という独特の餌のとりかたをする。
コイはフナ属より暖水を好み、産卵期も遅れることから南アジアが起源ではないかといわれている。  
水温は0〜35℃まで幅広く生息しますが、適水温は15〜25℃の間がベスト。  
産卵期:4〜6月で、水温が20℃前後になる頃大水の出た後など水温が変化した後に産卵行動を  
始める。  
1尾の雌に2〜3尾の雄が追いかける様にして産卵を行う。  
産卵は、午前中が多く、流れの緩い水草(マコモ、キンギョモ)のあるト場、葦など水没した陸生植物  
の茎や根などに卵を産み付ける。  
ロ1産卵期に2〜3回卵を生み、その数は20−60万粒と言われる。  
卵は直径2mmで粘着性があり水草などに付着する。20℃では4,5日でふ化する。  
ふ化した仔魚は、約5mmで水草の生えた止水や水田でミジンコなどのプランクトン等を食べ大きくな  
る。  
昔は水田での産卵が多くみられたらしいが、近年では水没した植物に卵を産み付けることが多く、ふ  
化する前に水位が下がりふ化の前に卵が死んでしまうことが多い。  
雄と雌の違いは、外観ではほとんど区別が付かなく、雄は頭が大きく、雌に比べやや細い、胸びれは  
大きく、角張っている。雌は、ずんぐりして丸い。      胸びれはやや小さく、丸い。  
日本では渓谷(けいこく)の清流より湖、沼(ぬま)、池、川などの流れの少ない場所を好み、底あたり  
に住んでいる丈夫(じょうぶ)でかつ長寿命(ちょうじゅみょう)な温水魚です。  
コイ養殖(ようしょく)業は古い歴史と伝統をもつもので、現代では高度な養殖技術と豊かな自然環境  
(かんきょう)を土台として、さかんに生産がおこなわれています。  
池、湖、沼、流水などで養殖されます。  
ゆったりと落ちついた姿かたち、こがね色にかがやく上品で美しいふんい気をもっており、日本では  
古くから“淡水(たんすい)魚の王”とよばれ好まれてきました。  
 
●一般的に野生のものを「野鯉」養殖ものを「大和鯉」と言い、まとめて「真鯉」と呼びます。  
野生に住む鯉は流れの緩やかな河川や湖沼に生息しています。  
雑食性でシジミやタニシ、昆虫、藻類や水草などを餌とします。  
また鯉にはのどの奥に3列に並んだ咽頭歯という臼状の歯があって、この歯で固い殻を持つタニシ  
やザリガニなどをばりばりかみ砕き、食べてしまうのです。  
その圧力は10円玉を半分に折り曲げてしまうほどです。  
餌を食べるときは泥ごと口に入れ食べ物だけを噛み砕き、泥や貝、蟹の殻だけを吐き出します。  
また、胃がないので食道部から消化酵素を分泌し、腸でタンパク質はアミノ酸に、炭水化物はグルコ  
ースなどの単糖類に分解し、消化吸収します。  
鯉の腸はのある魚よりも長くできていています。  
胃こういった鯉の生態上、鯉を清ジメせずに調理すると泥臭さが残ってしまいます。  
鯉は成長の早い魚で、棲息する水域の水温にもよりますが、普通、オスは2年、メスは3年で成熟す  
るといわれています。  
成熟した鯉は水温が15度以上になる4月頃から産卵を始めます。  
鯉の寿命は30から50年と言われ、長寿のもので100年以上生きる鯉もいると言われています。  
また、体長1メートル、体重20キログラムを越える巨体に成長するものもいます。  
川魚は泥臭いとよく言われますが、これは川魚の生態から来ています。  
料理用の鯉は、2年物を使用し、コンクリート詰めの養殖池で管理され、提供前に流水の中で2週間
かけて清ジメしていきます。  
この間は餌も与えず水のうまさのみを与え、鯉本来のうまさを高めていきます。  
鯉の身は、若い鯉(1年物)は白っぽく、2年から3年物は、ピンクがかり、それ以上の鯉は赤みが濃く  
なります。  
2年から3年の鯉の身は、締りが良く、身の中を走る骨もそれほど気になりません。  
コンクリートで管理されるため、力強泳ぐ鯉は体にこすり傷が出来ます。  
見た目は良くありませんが、2週間という中で、どんどん身がしまり、泥臭さも無く、水のうまさも合わさ  
り、味の良い鯉が出来上がります。  
鯉は、古来から薬用魚と呼ばれ食用に適していることから、多くの国で養殖されてきました。  
ビタミンB1を多く含み、タンパク質、脂質、カルシウム、鉄に富む滋養食品です。  
昔から、鯉は心臓や呼吸器の病気の特効薬とされたほか、産後の肥立ちの栄養食として、重宝され  
ました。  
また、中国では鯉は目をよく見えるようにする作用や抗ガン作用があると言われています。  
鯉はアミノ酸からなるタンパク質を多く含み、体内で作られない必須アミノ酸を補給することができま  
す。  
肉の部分には含硫アミノ酸の一種でコレステロールの働きを抑えるタウリンも含みます。  
ビタミン類では糖質を分解する酵素を助けてエネルギーに変えるビタミンB1、老化の原因と考えられ  
る過酸化脂質が造られるのを防ぐビタミンE、カルシウムやリンの吸収を促し、骨や歯に沈着させる
ビタミンDなどの栄養価に富んでいます。  
遠方の方々より、子供が生まれ、「是非母乳で育てたいので鯉の身を送って頂けないでしょうか」と問  
い合わせを戴きます。  
その後「元気に成長し、皆元気で喜んでいます」という言葉をかけて下さりその効果に鯉のパワーを  
感じています。  
平成8年度(1998年)、宮崎県水産試験場が行った「鯉のエキス入りドリンクの開発」についての事  
業報告書によると、エキスの抽出に最も適した飲料水は焼酎で、その他に使用した日本酒・ブランデ  
ー・緑茶よりも、2倍以上の窒素含有量があったと報告されています。  
焼酎で鯉のエキスを抽出した結果、鯉のエキス成分中には、健康性機能成分として知られているタウ  
リン(113.93mg)、ヒスチジン(36.59mg)、グリシン(7.48mg)、アラニン(9.21mg)、グルタミン酸  
(16.96mg)等が多く含まれることが分かった。  
最も多く含まれているタウリンには、私たちの身体や細胞を正常な状態に戻そうとする作用がありま  
す。  例えば、血圧が高いと下げ、肝臓の働きが鈍っていると高めます。  
また、うっ血によるむくみ、息切れも改善する効用があります。  
※()内の数値は鯉のエキス100g中にある成分の量です。  
 
☆鯉科の魚☆  
鯉科に属する魚の数は魚類の中でも最大で、194属2070種が知られています。  
塩水と真水の混じる汽水域で生息する魚はいますが、海水にすむ魚は1種類もないそうです。  
成長したときの大きさもさまざまで、3センチほどの種類から、150センチを超える大きさに育つ種類  
などがあります。  
   
☆鯉の寿命☆  
鯉は魚の中でも長生きする種類で、池等の良い環境で育てると50から60年くらいは生きるようです。  
資料によると、1967年に岐阜県ので飼われていた鯉で、江戸時代に生まれて150才以上になる鯉  
が6尾もいたそうですから驚きです。  
これは真鯉ですので、錦鯉はそれだけ寿命があるか判りませんし、美しさと言う点では問題がありそ  
うです。  
しかし、大切に育てて頂ければかなり長生きするようで、おじいさんの代から飼われていた鯉がいると  
いう話は良くあるようです。  
   
☆鯉の大きさ☆
真鯉の場合、近年では153センチで45キロという記録が、「淡水増殖学」という本に載っているそう  
です。  
昔から池や沼の主として、ものすごく大きな鯉の話が伝わっていますが、真実はどうなのでしょうか。  
江戸時代の本には、寛政5年に琵琶湖で7尺の鯉が釣れたという話が出ているそうで、7尺というと  
現在では210センチ以上になるので驚きです。  
今でも琵琶湖などでは1メーターを超える鯉が釣れるそうですし、茶鯉や黄金などでは1メーターを超  
える鯉が品評会へ出品されていますし、最近では紅白や大正三色でも1メーター近くに育っている鯉  
が見られるようになってきました。  
釣られた鯉では、公式記録にて八郎潟の116cmが最大で、その次に113.5cmが3本釣れており、  
関東の北浦が1本、大阪の大川(旧淀川)が2本です。その次は琵琶湖で113cmが釣れています。  
   
☆雑 学☆  
コイを「県の魚」に指定している県、福岡県・・平成6年6月29日に「ふくおかのさかな12種」を指定。  
コイは「魚類内水面」2種の一つに選ばれている。  
   
☆コイの仲間☆  
マゴイ(野生のコイ)体高が低い。ヒゴイ、イロゴイ(体の赤いもの)。ヤマトゴイ(養殖種)体高が高い。  
 ニシキゴイ。ドイツゴイ(うろこが少ない)。  
 
●にしき-ごい ―ごひ 3 【▼錦▼鯉】  
鯉の中で色彩や斑紋が美しく、観賞用に飼育されるものの総称。  
選抜育種したものや品種改良により、紅白・三色・丹頂などと鮮やかな美しい色模様に変化したもの  
が多い。 変わり鯉。色鯉。花鯉。模様鯉。  
   
●いせごい ―ごひ 0 2 【▼伊▽勢▼鯉】  
(1)ボラの異名。[日葡](2)メナダの異名。(3)ハイレンの別名。  
   
●うみひごい ―ひごひ 3 【海▼緋▼鯉】  
スズキ目の海魚。全長50センチメートルほど。ヒメジの近縁種で、体は鮮赤色。  
下顎(あご)に一対のひげがある。冬は美味。本州中部以南の暖海に分布。  
   
●かがみ-ごい ―ごひ 3 4 【鏡▼鯉】  
ドイツゴイの一品種。大きな鱗(うろこ)が側線上と鰭(ひれ)の付近に少ししかない。  
琵琶湖などに帰化している。  
   
●かわごい かはごひ 2 【革▼鯉】
コイの飼育種ドイツゴイの一種。鱗(うろこ)がほとんどなく、皮膚はなめし革のように見える。  
   
●かわり-ごい かはりごひ 3 【変(わ)り▼鯉】  
体色や鱗(うろこ)の様子の変わっている、鯉の飼育変種。色鯉。花鯉。  
   
●ドイツ-ごい ―ごひ 3 4 【―▼鯉】  
ドイツ・オーストリアで改良されたコイの一品種。  
鱗がほとんどない革鯉と、背部や側線部などに大きな鱗が少しある鏡鯉がある。  
鏡鯉は成長がはやい。  
   
●にごい ―ごひ 0 【似▼鯉】  
コイ目の淡水魚。全長約60センチメートル。体形はコイと異なり、細長く二本の口ひげを持つ。  
全身暗灰色。食用となるが、小骨が多い。本州・四国・九州の湖沼や河川の中・下流に分布。  
カワゴイ。サイ。マジカ。  
   
●にしき-ごい ―ごひ 3 【▼錦▼鯉】
鯉の中で色彩や斑紋が美しく、観賞用に飼育されるものの総称。  
選抜育種したものや品種改良により、紅白・三色・丹頂などと鮮やかな美しい色模様に変化したもの  
が多い。変わり鯉。色鯉。花鯉。模様鯉。  
   
●ひごい ―ごひ 0 【▼緋▼鯉】  
コイのうち、体色が赤または白を基調とするものの総称。普通、橙赤色。観賞用。  
   
●まごい ―ごひ 0 【真▼鯉】  
(緋鯉(ひごい)に対して)普通の黒い鯉。  
   
●ゆごい ―ごひ 1 【湯▼鯉】  
スズキ目の淡水魚。全長20センチメートル余り。体は長楕円形で側扁し、目が大きい。  
体は銀白色で背面に黒色の小斑点が散在する。  
熱帯性で、河川中流から汽水域にかけて生息し、南日本以南に広く分布。  
静岡県伊東の温泉がわく浄ノ池は有名な生息地であった。  
   
鯉の豆知識出の山いこいの家カトウ養魚場より抜粋

コイ(鯉)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

コイ
コイとソウギョ(中央は錦鯉)
学名・Cyprinus carpio
和名コイ   英名Common carp, Koi
     
分類
動物界 Animalia
脊索動物門 Chordata
亜門 脊椎動物亜門 Vertebrata
条鰭綱 Actinopterygii
上目 骨鰾上目 Ostariophysi
コイ目 Cypriniformes
コイ科 Cyprinidae
亜科 コイ亜科 Cyprininae
コイ属 Cyprinus
コイ C. carpio
 
コイ(鯉・英名 Common Carp または Koi ・学名 Cyprinus carpio )は、コイ目・コイ科に分類される魚。  
流れが緩やかな川や池などに生息する淡水魚である。  
英語では野生種を Carp 、錦鯉を Koi と呼んで区別することが多く、その他の多くの国でも錦鯉は和  
名で「コイ」と呼ばれている。  
   
概要・・・コイは外見がフナに似るが、頭や目が体に対して小さく、口もとに2対の口ひげがある。  
体長は 60 cm 程度だがまれに 1 m を超すものもいる。  
飼育されたり養殖されてきた系統の個体は体高が高く、動きも遅いが、野生の個体は体高が低くスマ  
ートな体つきで、動きもわりあい速い。   なお雌に比べて雄の方が頭が大きい。  
   
食性は雑食性で、水草、貝類、ミミズ、昆虫類、甲殻類、他の魚の卵や小魚など、口に入るものならた  
いていなんでも食べるほどの悪食である。  
口に歯はないが、のどに咽頭歯という歯があり、これで硬い貝殻なども砕き割ってのみこむ。  
さらに口は開くと下を向き、湖底の餌をついばんで食べやすくなっている。  
なお コイには胃がない。コイ科の特徴としてウェーベル氏器官を持ち、音に敏感である。  
 
産卵期は春から初夏にかけてで、この時期になると大きなコイが浅瀬に集まり、バシャバシャと水音を  
立てながら水草に産卵・放精をおこなう。  
一度の産卵数は50万-60万ほどもある。卵は付着性で水草などに付着し、数日のうちにふ化する。  
稚魚はしばらく浅場で過ごすが、成長につれ深場に移動する。  
コイとフナの雑種(コイフナ)が発見されている。  
生命力は極めて強く魚にしては長寿の部類で、平均20年以上まれに70年を超す個体もある。  
鱗の年輪から推定された最長寿命記録は220年だが、これは信憑性が疑問視されている。  
長寿であることのほか、汚れた水にも対応する環境適応能力があり、しかも水から上げてしばらく水  
の無いところで置いていても、他の魚に比べて長時間生きられるようである。  
   
川の中流や下流、池、湖などの淡水域に生息する。  
飼育されたコイは流れのある浅瀬でも泳ぎまわるが、野生のコイは流れのあまりない深みにひそんで  
おり、産卵期以外はあまり浅瀬に上がってこない。  
滝を登るということがよく言われるが、コイはジャンプが下手で滝を登ることはない。  
ただし小型の物は2m程度の高さまでジャンプすることがある。  
 
野ゴイ・・・漁師や釣り人などから、養殖され、放流もよく行われている体高の高いコイと、琵琶湖など  
の湖や四万十川のような大きな河川に見られる体高が低いコイの性質が著しく異なることが古くから  
指摘されていた。  
後者は「野ゴイ」と呼ばれて前者の系統で野生繁殖しているものと区別されており、従来より研究者の  
間でもこの相違に注目する者も少なくなかった。  
21世紀になってコイ・ヘルペスの流行で捕獲しにくい野ゴイの死体が多数得られたことから、これを用  
いて遺伝子解析した研究が2006年になって報告された。  
それによると、外来の体高の高いコイと野ゴイは種レベルに相当する遺伝子の差があることが報告さ  
れ、日本列島在来の別種として新種記載の必要性も指摘されている。  
   
分布・・・もともとは中央アジアあるいは黄河水系のいずれかが原産とされるが、環境適応性が高く、  
また重要な食用魚として養殖、放流が盛んに行われたために現在は世界中に分布している。  
日本のコイは大昔に中国から移入された「史前帰化動物」とされたこともあったが、琵琶湖など各地に  
野生のコイが分布し、第三紀の地層から化石も発見されていることから、やはり古来日本に自然分布  
していたとされる。  
欧米でもドイツなどでは盛んに養殖され、食用の飼育品種も生み出されている。  
 
錦鯉の放流と生態系の破壊問題・・・コイは川やダムなどに放流されることが多い。  
コイは体が大きくて見栄えがするため、「コイが棲めるほどきれいな水域」という趣旨で自治体レべル  
での放流もよく行われる。  
しかしコイはもともと水質汚染に強い種であり「コイが棲んでいる=きれいな水」ではない。  
市街地の汚れた河川を上から見れば、ボラと放流されたコイばかりが目につくということが多々ある。  
しかもコイは各種水生生物を貪欲に食べてしまうので、往々にして河川環境の単純化を招く。  
生物多様性の観点からすれば、もともとコイがいない水域にコイを放流するのは有害ですらある。  
   
近年環境問題が重視されるようになって河川の環境保護等に力が注がれている。  
そうした活動のうちに自然の河川に魚を放流する事業があるが、中には地元の固有種とは関係の無  
い錦鯉等本来自然界に存在すべきでない改良品種までもが放流される事が多くなっている。  
錦鯉の自然界への放流に因って地元の固有種との交雑が起こり、何万年もかけて築かれてきた固有  
種の絶滅が懸念されている(遺伝子汚染)。  
この放流問題は日本国内では、人間の自然への観念の低下によりまたブラックバス問題の影になっ  
てあまり重視されていない。  
このことは人間が自然を固有の歴史ある貴重な財産であることを忘れ、単にきれいならば、単に魚が  
いれば良いなどと考えるようになったのが原因と指摘する声もある(この問題はメダカ、金魚に関して  
もいえることである)。  
また、錦鯉の放流が原因と推測されるコイヘルペスウイルスによる感染症が地元の鯉に蔓延し大量  
死する事件もある。  
コイを食料とする習慣のない北アメリカに移入されたものは在来の生物を圧迫するまでになっている。  
コイは侵略的外来生物として環境問題となり、人為的放流を禁じている州も存在している。  
生命力が強いコイは海外で猛威を振るっている例もあり、国際自然保護連合では、世界の侵略的外  
来種ワースト100の一つとして数えている。  
 
観賞魚・錦鯉  
   
錦鯉   錦鯉   日本庭園にて
 
錦鯉 (en:Koi) は、普通の鯉 (Cyprinus carpio) を観賞用に養殖した変種である。  
黒以外のコイを色鯉(イロゴイ)、特に赤い鯉を緋鯉(ヒゴイ)、特に観賞魚として色彩や斑点等、体色  
を改良されたものを錦鯉(ニシキゴイ)という。  
特に錦鯉は、その模様により多くの品種があり、紅白、大正三色、昭和三色、黄金、浅黄などがある。  
錦鯉は飼育用として人気が高く、斑点模様、色彩の鮮やかさ、大きさ、体型を価値基準として高額で  
取引されている。  
また、鱗が大きくて部分的にしかないドイツゴイも移入されている。  
また、錦鯉は日本の国魚である。  
これに対して、ふつうの黒色のコイは烏鯉(カラスゴイ)または黒鯉(クロゴイ)、特に野生のコイはノゴ  
イとよばれる。
なお飼育型のコイは尾びれの下半分が赤く染まっているものが多く見られる。  
中国の西晋時代(4世紀の書に、さまざまな色の鯉について言及されているが、錦鯉を育てることは  
19世紀の新潟県で始まったと一般的に考えられている。  
田で働く農民が、一部の鯉が他のものより明るい色をしているのに気づき、それを捕まえて育てたとさ  
れる。(通常であれば他よりも明るいその色は、鳥やその他の捕食者に見つかりやすいため、魚は生  
存しにくくなる。)それ以降養殖は進み、20世紀までには数多くの模様が開発された。  
もっとも顕著なものは赤と白の「紅白」と呼ばれるものである。  
1914年の東京博覧会に出品されるまでは、開発の程度が世に知られることはなかった。  
この東京博覧会から、錦鯉への関心は日本中で爆発的に広まった。  
さらに、錦鯉を飼う娯楽はプラスチック袋の発明以降世界に広まり、飛行機や船の技術の進歩により  
錦鯉の輸出は速く安全なものとなった。  
これらの要因により、錦鯉を低い損耗率で、世界中へ輸出できるようになった。  
錦鯉は今や、殆どのペットショップで広く売られており、専門のディーラーを通せば特に高い品質のも  
のを買うこともできる。  
なお、以後新潟県では錦鯉の養殖が国内でも有数に盛んになるが、2004年の新潟県中越地震によ  
り、旧山古志村を始め、一時壊滅的な被害を受けている。  
また、コイヘルペスウイルスにより廃業になった業者もいる。  
 
錦鯉の変種・・・その色、模様、鱗の有無で見分けることができる。  
まず主な色としては、白、黒、赤、青、緑、黄色、紫およびクリーム色がある。  
また、錦鯉には鱗に金属のような光沢があるものがあるが、こういったものは金鱗・銀鱗と呼ばれる。  
また、ほとんど全ての種に対して鱗のない変種がある。  
日本のブリーダーはそれらをドイツゴイと呼んでおり、日本産の錦鯉とドイツ産のカガミゴイを交配する  
ことで鱗のない変種を作り出している。  
それらドイツゴイには側面に大きな鱗を持つものもいるが、まったく鱗のないものもいる。  
また、バタフライコイ(1980年代に開発された、長くゆったりと垂れるひれが特徴的)は、実際にはア  
ジアコイとの交配種であり、本物の錦鯉とはみなされていない。  
可能な変種は限りないが、ブリーダーは特定のカテゴリーで識別し命名している。もっとも知られたカ  
テゴリーは御三家である。御三家とは、紅白、大正三色、および昭和三色の三つである。  
   
鯉の飼育・・・普通の鯉は頑丈な魚で、錦鯉もその頑丈さを受け継いでいる。  
小さな器から大きな屋外の池までどんな場所でも飼える。  
ただし、鯉は90cmまで育つことがあるため、鯉の大きさに見合う水槽または池が必要になる。  
伝統的な屋内用アクアリウムは、丸いプラスチックの桶ほどには好ましくない。  
鯉は冷たい水を好む魚であるため、夏に水が暖かくなる地方では池を1メートル以上の深さにするの  
が望ましい。  
冬に寒くなる地方では、全体が凍ってしまわないように池を少なくとも1.5メートルにするのは良い考え  
である。    空気バブラーと桶形ヒーターを備えた広い場所に置くのもよい。  
錦鯉は明るい色をしているので、捕食者に対しては格好の標的となる。  
紅白は池の深緑色に対比したとき、視覚的な晩餐のベルのようなものである。
サギ、カワセミ、アライグマ、ネコ、キツネ、およびアナグマなどには、池中の鯉を食べつくしてしまう能  
力があると言ってもよい。  
適切に設計された屋外の池は、サギが立てないだけの深さと、哺乳類の手が届かないような水面上  
のオーバーハング、および上空からの視線を遮るために上を覆う木陰を備えている。  
池の上面を網やワイヤーで囲う必要もあるかもしれない。  
但し、山間に近い場合、稀に絶滅危惧種の水辺を好む野鳥がかかる事があり網は避けた方が良い。  
また池は、水を清潔に保つためのポンプと濾過システムを備えていなければならない。  
鯉は底で餌をとる魚であるが、沈む餌は食べ残しが水質を悪化させるおそれがあるため、単に栄養  
バランスが取れているだけではなく、水に浮くように作られているも餌を与えると飼育の手間がかから  
ないとされる。  
水に浮く餌を与える場合には彼らが餌を水面近くで餌を食べている間に、寄生虫や潰瘍がないかチェ  
ックすることもできる。  
鯉は餌をくれる人を識別するので、餌の時間になると集まってくる。  
彼らは手から餌を食べるように教えることもできる。  
冬には消化器系の動きが遅くなりほとんど停止するので、餌はほとんど食べなくなり、底の水草をかじ  
る程度になる。       春になり水が温まるまでは食欲は戻らない。  
 
日本では1990年代ころから観賞魚として熱帯魚が主流になってきているが、海外では錦鯉人気が上  
がってきている。    インターネットの普及に従い、インターネット販売も広まっている。  
産卵、孵化、稚魚の飼育などの方法は金魚と同じでよい。  
ある程度成長するまで金魚との識別が困難であるため、鯉と金魚を区別したい場合は、金魚と別の  
容器で飼育することが望ましい。  
   
食材・・・コイは生命力が強い魚であり、滋養があるとされ、妊婦などの栄養補強にもよいとされる。  
捕獲したコイはきれいな水を入れたバケツの中に半日-1日程入れて泥を抜かないと泥くさい。  
さばくときは濡れた布巾等で目を塞ぐとおとなしくなる。  
   
日本では鯉こく(味噌で煮込んだ汁)、うま煮(切り身をさとう醤油で甘辛く煮付けたもの)、甘露煮にし  
たり、さらには洗いにして酢味噌や山葵醤油を付けて食べる。  
中華ではから揚げにしてあんをかけて食べる。  
稀に鱗を唐揚げし、スナック菓子のように食べることもある。  
有棘顎口虫(Gnathostoma spinigerum)の中間宿主となるため、生食はすべきではない。  
内陸の山間部である山形県米沢市は冬場は雪に閉ざされ、住民はタンパク質が不足がちな食生活を  
していた。  
タンパク質を補う目的で上杉鷹山は1802年に相馬から稚鯉を取り寄せ、鯉を飼うことを奨励した。  
各家庭の裏にある台所排水用の小さな溜めで台所から出る米粒等を餌にして蓄養した。  
なお食材としてのコイは、福島県からの出荷量が最多である。  
 
中欧や東欧では古くからよく食べられており、特にスラヴ人にとっては聖なる食材で、ポーランド・チェ  
コ・スロバキア・ドイツなど、西スラヴ人の定住した地域では伝統的なクリスマス・イヴの夕食にはコイ  
が欠かせない。  
東欧系ユダヤ教徒が安息日に食べる魚料理「ゲフィルテ・フィッシュ」の素材としても、コイがよく用いら  
れた。  
しかし北米では、コイは水底で餌を漁るために泥臭いとして敬遠されており、釣り(遊漁)の対象魚とは  
されても食材として扱われることは極めて稀である。  
コイの胆嚢(苦玉)は苦く、これをつぶすと身に苦味が回る。  
またコイ毒が含まれている場合がある。  
摂食すれば下痢や嘔吐、腎不全、肝不全、痙攣、麻痺を引き起こすことがある[2]  
毒性物質は5-αチブリノールとスルフェノールである。  
その反面、視力低下やかすみ目などに効果があるとされ、鯉胆(りたん)という生薬名で錠剤にしたも  
のが販売されている。  
   
釣り・・・釣りの対象魚としては、日本の湖沼河川においてバスフィッシング、ヘラブナ釣りなどに並んで  
人気のある魚で、釣り場では置き竿を林立させている光景が良く見られる。  
鯉はやはり大きく育つ点に釣魚としての魅力があり、その強力な引きに醍醐味がある一方、中小型は  
ビギナーでも楽しめる。  
狙い方は練り餌を用いた吸い込み釣りや、ぶっこみ釣り、浮き釣りが基本だが、まれに多魚種狙いで  
あたることもある。  
餌は甲殻類やミミズ、タニシ、パンそしてサツマイモや、マッシュポテトに小麦粉を加えた練り餌など、  
バリエーションは多彩である。  
竿やリール、糸などは強力なものが必要だが、高い道具は必ずしも必要ではない。  
しかし、専門に狙っていくとやはり高級な道具を使ったほうが良い。  
基本的に回遊している鯉を待ち伏せるような「待ち」の釣りなので、のめり込んだ人は夜どおし狙うこと  
も多い。  
稀にルアーでも釣れる事がある(どうしても狙うときはワームで、産卵期にはバイブレーターが有効)。  
食パンの耳を餌として、重りを付けずに餌を浮かせて釣る方法もある。  
 
伝承・・・中国では、鯉が滝を登りきると龍になる登龍門という言い伝えがあり、古来尊ばれた。その  
概念が日本にも伝わり、江戸時代に武家では子弟の立身出世のため、武士の庭先で端午の節句  
(旧暦5月5日)あたりの梅雨期の雨の日に鯉を模したこいのぼりを飾る風習があった。  
明治に入って四民平等政策により武家身分が廃止され、鯉幟は一般に普及した。  
現在ではグレゴリオ暦(新暦)5月5日に引き続き行なわれている。  
なおプロ野球の広島東洋カープの球団名は、広島城の異名・鯉城(りじょう)にちなむ。  
 
主な錦鯉の品種一覧
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